屋久島ユースホステルに泊まる離島旅行体験談
旅人が集う宿泊施設で働いていた私はもともと一人旅が好きでした。屋久島もいつかは行ってみたい、と思っていましたが壮大な大自然を見るためには長い長いトレッキングが必要とも聞いて入ました。
なんのトレーニングもしていない女性には少しハードルが高いのではないか、と尻込みしていました。しかしもう26歳、今行かなければ体力も衰えてくる、と一念発起し、2016年・10月、関西空港から私は一人、屋久島へと旅立ちました。
関西から屋久島までのアクセスと到着してからの第一印象

私は当時京都に住んでおり、関西空港からLCCに乗り鹿児島空港へ向かいました。直行便もあったのですが、さすがに高くて貧乏旅行しかしてこなかった私には手が出ませんでした。
一番安いフェリーは朝早くしか出ないとのことで、港近くのゲストハウスに一泊し、翌朝フェリーから見える桜島の迫力に圧倒されながら念願の屋久島へと向かいました。
屋久島が見えてくると、予想はしていましたが天気はあまりよくはなく、先行きが少し不安になるくらいでした。さすがは1ヶ月に35日間も雨が降る、と言われている島だけあります。
しかしどんよりと曇り、霧で霞む山々を見るともののけ姫のオープニングシーンを思い出し、少しワクワクしてきたのを覚えています。
屋久島初のトレッキングはもののけ姫のモデルとも言われている白谷雲水峡

ついたその日は、予約していた宿に直行し、翌日に備えてのんびりしました。レンタカーもできない私には交通手段がバスしかなかったので、早めに就寝しました。
宿の方には翌日は雨が降ると聞いていたのですが、目が覚めて見ると雨が降るどころか太陽さえ顔を出しており、今日は確実にいいことしかない、と感じました。
山の中にはもちろん食堂なんてありませんので、京都から持って来ていたお米を炊き、おにぎりを作ってとうとう念願の白谷雲水峡へ出発しました。
ついてみると思いの外、人が多く中には年配のグループの方もいらっしゃったので、私でもできると少し安心しました。トレッキングにはいくつかのコースがありましたが、私は何一つ見逃したくはなかったので一番長い、全てを回るコースを選びました。
コースの途中途中には杉の木や、そのポイントの説明文もあり、美しい木々の緑と岩や木に敷き詰められた緑を見ているとあっという間に折り返し地点である太鼓岩に到着しました。
目の前がパッとひらけたときはとても爽快な気分になりました。太鼓岩から広がる谷と山々の美しさに見とれ、とても離れる気にはなれず長い間そこに留まって景色を目に焼き付けてきました。
屋久島の偉大なる縄文杉様との出会いに言葉がでない

翌日は早朝3時半に起きて始発のバスに乗り、雨の中を9時間近くのトレッキングに挑戦しました。今度は縄文杉を見るためです。
始めのトロッコ道では1時間半ほど歩き続け、何度も今ならまだ引き返せる、という邪念と戦っていましたが、トロッコ道が終わり山道に入り深い苔、巨大な杉の木たちを見ているとそんなに長く感じることもありませんでした。
そしてついに縄文杉がお目見えしたときには、長い長いトレッキングの辛さも吹っ飛び、ただただそこに静かに立つ縄文杉の迫力に言葉も出ませんでした。
何千年もの間物事の移り変わりを見てきた縄文杉を見つめているとなぜだか涙が出てきたのを覚えています。帰りも4時間ほどかかりましたが本当に全てに価値があった縄文杉との出会いでした。
たくさんの素敵な出会いがあった屋久島ひとり旅

それからまだ、二泊ほど屋久島に泊まり、大川の滝や屋久杉ランドも見て回りました。
これまでもたくさんの場所にひとり旅に行ってきた私ですが、いつも大切にしているのは人との出会いです。一人でいくからこその出会いには素敵なものばかりです。
屋久島ユースホステルのスタッフの方はとても親切で、全てのアクセス方法を教えてくれて、おすすめの食堂も教えてくれました。
食堂で屋久島カレーを作ってくれたお姉さんは無口な方でしたが、笑顔がかわいかったです。宿に帰れば、アイスランドから日本旅行中のカップルと出会い、一緒に飲み交わしました。
日本は本当に素敵な国と言われてとても嬉しかったです。バスのドライバーさんもとてもフレンドリーな方で、いなか浜まで向かう車中でお互いの旅の話がつきませんでした。こんな素晴らしい大自然に囲まれ素敵な人たちで溢れる神の島、また絶対に訪れようと思っています。