バイト体験談

派遣葬儀スタッフのアルバイト体験談

投稿日:2017年4月22日 更新日:

会計事務の正社員をさがしていたがなかなか見つからないので求職活動の空いている時間に単発アルバイトとして派遣の葬儀スタッフの仕事を始めました。

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研修の後、いきなり現場でお仕事デビュー

仕事をするにあたっての研修は一般的な知識の習得と基本的な挨拶の仕方のみでした。こんな簡単な研修で大丈夫なのかと不安な気持ちで指導担当者に聞いてみたところ、「机上の研修より実際の現場経験を積んでほしい」ということでした。

OJTにも程があると思いましたが研修まで受けてしまっていたのでお仕事に挑戦することにしました。
時給は最初の五十時間までは850円ですが50時間を経過すると現場で同じ派遣業者の先輩がテストをして独り立ちできると判断したら51時間以降からは1000円になるということでした。

求められる業務内容は幅広く決まったマニュアルもなく、また特殊な場所での接客業ですので高い専門性が必要なはずでしょう。たった50時間で独り立ちなんてできるわけないと思っていました。

仕事の習得度よりも人員不足の解消が優先

案の定、現場でのテストでは大失敗です。次々に出される指示に慌ててしまっていたのが原因ですが、喪主が会葬者に挨拶をしている時に全員にお尻を向けて祭壇の菊の花の頭の部分をちぎっていました。

葬儀会館の責任者からは後でこっぴどくお叱りをうけたにもかかわらず派遣業者の先輩からは合格の判断が出て、恐ろしいことに次回から独り立ちできるということでした。

募集をかけても応募がなく採用してもすぐやめてしまうという悪循環の中、慢性的な人員不足のため早く独り立ちさせたいという派遣業者と同じ仕事内容ならはやく時給を1000円にしてもらいたいという多数の派遣従業員の利害が一致するのでこのような甘すぎる判断になるようでした。

しかしそのことが後に経験不足のスタッフとして葬儀会館の担当者から厳しい目を向けられることになり、とんでもない失敗をするのではないかと一挙手一投足を監視されるようになりました。

正社員のストレスの矛先は→派遣従業員へ

仕事はなかなか厳しいものでした。雪がちらつく夜、一時間以上も会館の玄関に立って会葬者をお迎えするのですが屋内といえども自動ドアは開放されたままなので屋外と変わらない寒さです。

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もちろんコートを着用することは許されません。非人道的な滅私奉公を喪主や会葬者にアピールすることがねらいなのかと感じました。

また葬儀会館のスタッフの構成は少人数の葬儀会館の社員を頂点にしてほとんどが派遣された従業員ですので葬儀会館の社員から理不尽ともいえる扱いを受けても我慢するしかありません。

社員はお気に入りの派遣従業員を次回の葬儀の仕事に使う裁量がありますので昼食の休憩時間に入る派遣従業員に「午後からも仕事したい?」とあからさまに自分の優位性を口にして弱い立場の者を相手にストレスのガス抜きしているように感じました。

お仕事中の感情のセルフコントロールが大切

仏様に対して不敬を働いているような場面に出会ったこともあります。

宗派によっては故人が生前に愛用していた茶碗にご飯が盛られ枕飯としてご遺体の枕元に飾られ、ご親族の方に「愛用のお茶碗は大切にご供養させていただいた後で処分いたします」とお伝えします。

ですが、本当はそのまま葬儀会館のバックヤードのポリバケツにボンと放り込まれ産廃業者が回収していくのを待つんです。ご親族を騙しているようにも感じ釈然としませんでした。

感情をコントロールできなくなる時もありました。

ある日の葬儀の事でしたが故人は長い間の闘病生活の末、天国に召された若い女性でした。

二歳くらいの女の子が祖母と思しき方に手をつなぎ無邪気に笑いながら棺の中の女性に「ママ。ママ。」と呼び掛けているのを見たときは大変辛く、勤務中でありながらも涙を隠せませんでした。

やりがいと充実感は五つ星、報酬は一つ星

業務の内容は多岐にわたります。

通夜の会葬者へのお茶出しと片付け、僧侶への対応、通夜振る舞いの準備、焼香の案内、記帳の受付、粗供養品のセット、葬儀の進行の手伝い、お手洗いの清掃など、これらはほんの一例です。

遺族へ心を砕きあらゆるところに気を配り故人を誠心誠意お見送りした後には体力も精神力も尽き果ててしまいます。しかし充実感で満たされているのもまた事実です。

最後にご遺族の方から「ありがとうございました。お世話になりました。」と言っていただけたときの喜びがこの仕事の醍醐味だと皆が感じていました。

お亡くなりになった時点でお仕事が発生するという特殊な職種なので明日の仕事の有無がわかりませんし葬儀会館の社員の派遣従業員への憂さ晴らしともいえる言動にも耐えなければならない。

仕事の量や質の割には時給が安いこの仕事で生計を立てるのは困難ですが、やりがいのある仕事であることは間違いないでしょう。

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