おごと温泉旅館でリゾートバイト中の悲劇?!
私は滋賀県在住の26歳の主婦です。22歳のころ、滋賀のおごと温泉にある旅館で、リゾートバイトをしていました。いわゆる仲居さんです。毎日企業様やご家族が宴会やお食事をする会場に配膳をします。
リゾートバイト中、楽しかった宴会で突如起こった悲劇

その中には80歳過ぎの要介護のおじいちゃんと、おじいちゃんを介護しているおばあちゃんがいました。いつものように楽しいお食事の時間を過ごしてもらい、何事もなく料理出しを終わりました。
そして私が、最後のご挨拶と明日の朝食の案内をしようとしたとき、おばあちゃんがいきなり、「おじいちゃんの入れ歯が無くなった!」と叫んだのです。
入れ歯探しの最大の難関は〇〇

入れ歯が無くなると、おじいちゃんは明日の朝食を食べることができません。慌ててご家族皆様と私とで、食事会場をくまなく探してましたが見つかりません。
するとおばあちゃんが「もしかして、入れ歯が食事中にとれてしまって、残飯と一緒に捨てられちゃったかもしれないわ!」と、また叫んだのです。
そうなると大変です。旅館では残飯が出ると、残飯専用のバケツに毎回廃棄していたのですが、バケツには旅館のお客様全員の残飯がひとまとめに捨てられています。その中から探さないといけないので、ものすごい量です。
しかも大変なのは、残飯なのでニオイもとてつもなく臭いし、汚いのです。けれども、お客様の大事な入れ歯がなくなったのですから、探さないわけにはいけません。私は泣く泣く、残飯バケツをひっくり返し、入れ歯を探し続けました。
そして途中で更なる悲劇に気づきます。なんと4月のデザートである、色鮮やかなピンク色の桜餅も、大量に廃棄されていました。桜餅が、見た目も感触も、入れ歯の歯茎の部分にそっくりなのです!
ただでさえ探し出すのが難しいのに、これでは砂漠の中で砂金を見つけ出すくらい困難でもう泣きそうです(大げさ!?)。残飯の中は色んなニオイが混ざり、吐きそうでした。
とうとう入れ歯を見つけた!?と思うたびに手につかんでいるのは桜餅。
バイトをし始めて4年ほど経っていましたが、初めて辞めたくなった瞬間でした(笑)他の仲居さん達にも協力してもらい、必死に入れ歯を探しましたが、残念ながら残飯からは見つかりませんでした。
とうとう発見!なんと入れ歯は・・・

定時も過ぎていて、私はすっかり疲れ果てていましたが、ひとまず現状をお客様に報告しようと宿泊部屋に伺いました。
するとおばあちゃんから耳を疑う一言が。「ごめんごめん!入れ歯がさっき見つかったのよ!お姉さんどうもありがとうね!」
なんと、無くなったと思った入れ歯は、おじいちゃんが着ていた浴衣の、袖の中に落ちていたのです!これにはさすがに私も、怒りを通り越して呆れ果ててしまいました(笑)
「ほんと、ちゃんとおじいちゃんの面倒みといてよね!」と内心吐き捨てました(笑)
とにかく、無事見つかって一安心。おじいちゃんも翌朝、朝食を食べることができました。4年間の旅館バイト生活で、衝撃の1日となりました。